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JR九州305系の車体洗浄から見た筑肥線ダイヤ修正・地下鉄姪浜車両基地にしかない車両洗浄装置

JR九州が新しく導入する305系は、JR九州筑肥線と福岡市地下鉄空港線を走行し、2月5日から営業運転に入ることが発表されています。また、導入本数は6両編成6本となっています。


この305系は、写真を見ればわかるとおり純白の塗装になっているため、頻繁な洗車が必要となります。しかし所属基地となる、JR九州唐津線西唐津駅に隣接する唐津運輸センターには、低速で走行する車両を両側から回転するブラシで洗浄する、車両洗浄装置自体がありません。JR九州では株式上場に向けた人減らしのため、来年度(2015年度)に駅の大規模な無人化を発表している現状もあり、人手と時間のかかる手洗いを行うことは考えられません。そのため、直通先である福岡市交通局の姪浜車両基地の車両洗浄装置を使わせてもらうのが一番現実的です。

仕業検査線と車両洗浄線

様々な鉄道事業者がありますが、周期の関係上、仕業検査線と車両洗浄線を同一の線路で両方行えるようにしてある場合も多くあります。JRなどでは仕業検査、法令上は列車検査と呼ばれる検査は、電車の場合は編成単位で在線で行います。機能の各種検査や、制輪子などの消耗品やパンタグラフの点検の他、ATCの検査などもあります。

仕業検査と車両洗浄線を同一の線路で行えるようにしている車両基地の場合は屋外の場合も多く、唐津運輸センターでは、屋外にパンタグラフ点検台を備えた線路が2線あります。一方で姪浜車両基地では、検査修繕関係の線路は全て屋根がありますが、一番簡易な列車検査線と思われる洗浄線2線に関しては、隣の検修庫から屋根が伸びているだけで、片面は壁が無く吹きさらしとなっています。そしてこの2線列車検査線と洗浄線に入る時には必ず車両洗浄装置の間を通る線路配線になっています。

なお、仕業検査は会社や車両形式などによって検査周期が異なり、前回の検査から48時間や72時間以内にといった事業者もありますが、福岡市地下鉄では10日以内にとなっていることが、安全報告書に記載されています。また、姪浜車両基地での車両検査については、一番簡単な列車検査から、全てを検査する全般検査まで、一貫して、JR九州グループのKSKが行っていて、303系については要部検査と全般検査は姪浜車両基地において行われています。

JR九州の検査と福岡市地下鉄での検査については、期間や内容が異なる部分もあるかもしれませんが、305系に限って、JR九州と同じ基準で、姪浜車両基地において検査を行うことも、不可能ではないでしょう。特に、305系では従来の103系1500番代や303系とは異なり、パンタグラフの位置を福岡市交通局の車両と同じ号車に揃えていることなどからも、福岡市交通局の設備での検査を考慮している可能性が考えられます。

実際、305系のW2編成は、12月20日(深夜・午前)に姪浜車両基地に回送されてからは、唐津運輸センターに帰ることなく、現在も地下鉄線内で営業時間帯に試運転(手動運転と思われる)を繰り返しています。検査期限切れで試運転を続けることは考えられないので、姪浜車両基地で必要な検査を行っていることは間違いがありません。

305系を姪浜で検査=日中に姪浜に留置のダイヤ

さて、305系が洗車のために福岡市交通局の姪浜車両基地に行くダイヤにするためには、日中に検査が行えるよう、日中に305系が姪浜車庫に行く必要があります。そして、そのダイヤを予想するにあたっては、2014年3月15日のダイヤ改正での車両運用などを説明する必要があります。

筑前前原での途中連結・途中切り離しの廃止

現在の2014年3月15日改正のダイヤでは、103系1500番代の、中間にクモハ2両を挟む6両編成の、途中での連結や切り放しがなくなりました。福岡市地下鉄空港線に直通する列車は、途中で両数が変わることがなくなりました。そして各形式と運用本数は以下のようになっています。

  • 303系:6両編成3本予備なし
  • 103系:6両固定編成5本予備なし
  • 103系3両分割編成:実働4本・合計8本

以上のような陣容になっていて、現在のダイヤでは、交番検査以上の検査で6両編成の車両が使えない場合は、3両分割編成を組み合わせるなどして運行されています。そして、次のダイヤ改正までに導入される305系は6本です。つまり、次のダイヤ改正前までに、103系6両固定編成5本全てを置き換え、そして6両編成に予備が1本備わるかたちになります。

2014年春改正までは3+3両編成を途中の筑前前原で連結したり切り放したりがあり、103系の6両固定編成は実働3本、待機のみの運用1本、予備1本という陣容でしたが、2014年春の改正で、305系を順次投入できるダイヤに大きく変更されました。

なお、305系のW1編成とW2編成が唐津運輸センターにやってきた後に、6両固定編成の内の3両が小倉総合車両センターへ廃車回送され、常に3両分割編成と組んで6両で走る状態になっています。唐津運輸センターの収容力の面からも、305系の営業開始やその後のW3編成以降の配置に合わせて、6両固定編成の廃車は進むものと思われます。

現在のダイヤと305系を充当するスジ

現在のダイヤが、6両編成は303系3本と103系5本のダイヤになっているため、ダイヤ改正後のダイヤについては、2通りが考えられます。

  • 現在:303系3本予備なし・103系5本予備なし
  • 改正後1:303系3本予備なし・305系5本+予備1本
  • 改正後2:303系2本+予備1本・305系6本予備なし

305系は一番唐津よりの1号車の床を木材にするなど、唐津への観光需要を意識したデザインにしている旨公式発表があっているため、唐津直通列車に優先的に305系を回す可能性が高いと考えられます。さらに「スマートドア」と称し、ドアボタンをJR九州としては初めて本格的に導入するため、筑前前原駅より西を走る6両編成については、なるべく305系に統一した方がよくなります。

一方で性能面では、305系の性能が、303系の性能を下回ることはありえません。さらに303系についても、1次車となるK01・K02編成と、2次車となるK03編成では力行特性が異なます。もちろん2次車の方が性能がよく、1次車と同じ地点でノッチオフといった運転をすると、軽く15秒も早く到着してしまう区間すらあります。

車両性能の統一といった観点からは、少数形式で性能が不統一の303系よりも、305系で統一できる部分は統一した方が便利でしょう。通常は性能の高い車両で運転を行うものの、検査で代走の場合に備えて従来車の性能でスジを引く、というのもよくある話です。そのようなダイヤにする列車は、朝のラッシュの時間帯にだけ車庫から引っ張り出してきて走るようなスジに割り当てるのもよくあることです。

そしてちょうどいいことに、現在の103系の6両固定編成の運用には、平日・土休関係なく、朝に西唐津を出て福岡空港まで1往復で終わりの運用があります。性能の高い車両で通常は運転を行うものの、検査で代走の場合に備えて従来車の性能でスジを引くのにはもってこいの運用です。

また、303系は日中は複線化された筑前前原以東の区間のみを走るスジが大部分になります。朝と夕方以降を除くと、303系が唐津まで行くのは、平日ダイヤでは運行番号23が、12:37西唐津着・13:06西唐津発・16:13西唐津着・16:18西唐津発の2往復のみとなります。また、休日ダイヤでは、運行番号23が、14:52西唐津着・16:15唐津発の1往復のみで、平日と同じ運行番号23です。

このように、現在の303系の運行番号21~23の内、23を305系に変更すれば、朝と夕方以降を除くと、唐津直通列車が全て305系に統一できるようになっています。

というわけで、現在103系で運行されている列車全てを305系に置き換え、更には、現在303系で運行されている内の1本である運行番号23も305系で運行する、というのが、運用に関して白紙改正(スジの山繋ぎの大幅な改正)が不要で、面倒なことを行わないでいいダイヤとなります。

というわけで、103系と303系の運行番号23を305系に置き換えるという前提で、305系のスジ(現在の103系のスジ)を姪浜車両基地に持っていくようにダイヤ修正を考えてみます。こうすれば、車両が足りなくなっても、朝1往復だけの運用から車両を捻出し、他のスジに充当することも可能です。

姪浜車両基地へ行く305系のスジはこれだ

さて、日中に305系が姪浜車両基地に行くには、姪浜行きか姪浜始発になる方法と、姪浜駅と筑前前原駅の間を回送する方法とがあります。2014年3月15日改正のダイヤ図を、OuDiaで作図しているので、それを見ながら、削減・打ち切り・追加などが行われそうなスジを見て行きましょう。

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篠栗線でATS-DK使用開始を確認・813系のみ

JR九州の篠栗線(福北ゆたか線)でATS-DKが使用開始されているのを確認しました。

下の写真は原町駅に停車した車内で撮影したもので、ATS-DKの表示器の左下の「信号P発生」に緑のランプが点灯しています。この信号パターンは原町駅の桂川方面の出発信号機に対するものです。

(右下のディスプレイを見ると、3両編成の813系であること、前の駅が「柚須」であることがわかります。また右上のモニターから、ホームが左側にあることがわかります。柚須駅の隣で左側にホームがあるのは吉塚ではなく原町になります。)

なお、ATS-DKで出発信号機に対してパターン照査を行っているのは、全ての駅ではなく、また駅によっても上りと下りで違う対応を行っている場合があります。全ての駅を回ったわけではないので全容はつかんでおりません。

また、817系は1X00番代と2000番代の両方とも、運転台のATS-DKの表示器は使用開始とはなっておらず、813系のみ使用開始のようです。所属基地別に一括ではなく、車種別に一括で使用開始なのかもしれません。

なお、1線スルーの柚須駅では主本線と待避線のどの方向に対しても出発に対しては未設置のようです。1線スルーの長者原駅では主本線と待避線の両方について、出発信号機に対するDKパターン消去の地上子がありますが、ホーム拡幅工事を行っている最中で、主本線と待避線の両方において「工事区間」を含んでおり、下り列車の待避線進入に関しては、出発信号機に対するパターン照査は行っていませんでした。

原町駅の地上子の配置

原町では上り列車の走行する下り線(桂川方面)の出発信号機については新しいATS-DKの地上子になっていますが、下り列車の走行する上り線(吉塚方面)の出発信号機については従来の地上子のままで、ATS-DKの配電箱も見当たりませんでした。


原町駅から長者原駅に向かって撮影。停止位置目標は5両と6両となっている。朝の最長列車の7両編成は逆方向のみの運行であり、こちらのホームは長さは7両には足りない。


上:5両の停止位置目標のすぐ先に、退色したオレンジ色の誤出発の即時停止地上子と、真新しい黄色のパターン解除用の地上子がある。パターン解除は発車後、台車の後にある車上子が、黄色の地上子を通り過ぎてからになる。
下:6両の停止位置目標のすぐ先に、真新しいオレンジ色の直下非常の即時停止地上子がある。6両編成の場合のパターン解除は、このオレンジ色の地上子で行われることになる。なお、更に先にある白い地上子は、次の信号機である、長者原駅の場内信号機に対するロング地上子である。

反対方向

原町駅の反対方向の地上子については、退色していて新しい地上子には交換されておらず、停止位置に合わせたパターン解除の地上子もない。また、Dx形の配電ボックスも見当たらない。

乗車列車

今回乗車したのは直方所属の813系R017編成でした。

また、原町駅に到着した時の運転台と車窓は以下のような状態でした。

おわりに

ATS-DKは複線区間については場内信号機に対してのみパターン照査を行いDx形地上子に交換でしたが、単線区間の行違い駅については、駅や線路によっては、出発信号機に対してもパターン照査を行っていることがわかりました。しかし、柚須・原町・長者原の3駅しか見ていないので、安全側線の有無や、1線スルーかそうではないか等の条件との関連はよくわかりませんでした。

2014年11月1日追記

篠栗線において出発信号機に対するパターン照査を行っているのは、原町駅の桂川方面だけの例外措置のようです。原町駅に着発する普通列車は、篠栗方面は行違いの有無に関係なく出発を停止現示とし、原町駅の先にある長者原駅構内の踏切の遮断時間を短くしているようです。そのため、原町に停車する普通列車で先頭が813系で運転される列車であれば、日常的にパターン発生とパターン消去を見ることができるはずです。また、日中の篠栗折り返し列車に813系も充当されているので、乗車して見るチャンスは多いと思います。

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レール組みのホーム 西鉄貝塚線三苫駅

西鉄貝塚線(旧宮地岳線)の三苫駅には、ホームの下の骨組みにレールを使った、珍しいタイプのホームがあります。レールは品質の高い素材ではあるものの、厚みが一定ではないために、ボルトとナットで固定することはできません。リベットの時代からボルトとナットの時代に移行するのに合わせて、レール組みのホーム屋根などは作られなくなったということです。しかし三苫駅1番線ホームの骨組みでは、レール同士を継ぎ目板で固定する部分を除いては、ボルトもナットもリベットもなく、溶接で組んであるようです。溶接でホームの骨組みに古レールを使うのは、珍しい例だと思います。


( 写真をクリックで拡大)

レールの断面がしっかり見えています。また、ホームの縁のレールは、普通の継ぎ目板でボルトとナットで固定してあります。継ぎ目板に犬釘を打つ切れ込みのある旧いタイプです。


( 写真をクリックで拡大)

ホームの下を拡大した写真です。水平方向の縦横と、垂直方向の3方向にレールが使われています。レールの底面同士が貼り合わさっている部分は、ボルトもリベットもありません。


( 写真をクリックで拡大)

ホーム面は細いコンクリートの板が並べてあります。また、屋根は普通のH鋼などが使われていて、ボルトとナットの使用も見られます。またホームの柵はL字アングル材の溶接のようです。


( 写真をクリックで拡大)

ホームは端が延長されていますが、延長された部分は通常のH鋼やL字形のアングル材などが使われています。この写真を撮影するために立っている向かい側のホームはコンクリート積みですが、端の延長部分はこちらのホームも同様の構成になっています。


( 写真をクリックで拡大)

レールが使われているのは、上り列車が着発する主本線の1番線です。階段とエレベーターのある端の方だけは石積みかコンクリート積みですが、残りの大部分がレール組みのホームになっています。

現在貝塚線の最古参の313形は残すところ315編成の1本のみで、2015年1月24日(土)限りで運行終了することもあり、旧塗装になっています。日本の鉄道で初めてモノコック構造の車体を採用した車両ですが、お立ち寄りの際は、三苫駅のホームも観察されると面白いかもしれません。

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西鉄貝塚線の新車受け入れ対応状況と将来の地下鉄直通化

西鉄貝塚線(旧宮地岳線)では、最も旧い313形が1編成だけ残っていて、この315編成が、来年の2015年1月24日(土)をもって運行終了することが公式に発表されました。また貝塚線と福岡市地下鉄の直通運転の構想は、地下鉄の構想段階からあったものの、貝塚線の車両の耐火基準などの問題で、未だ実現していません。

西鉄の公式発表(PDF)→ http://www.nishitetsu.co.jp/release/2014/14_003.pdf
当ブログ過去記事

西鉄電車と国鉄通勤型電車のサイズの違い

西鉄電車のサイズは、国鉄通勤型電車よりも車体幅が狭いのが特徴で、2,670mmと、国鉄通勤型電車の2,800mmよりも、13cm狭くなっています。また貝塚線を走る313形と600形は車体も約19mの3扉で、国鉄通勤型電車の20m4扉とは異なっています。

現在福岡市地下鉄と相互直通運転を行っているJR九州筑肥線は、20m4扉の103系1500番代で、福岡市交通局の車両も同様のサイズです。地下鉄線内では全駅にホームドアが設置されているため、貝塚線と地下鉄箱崎線で直通運転をするには、20m4扉の車両にする必要があります。

一方で、西鉄天神大牟田線からの中古車で旧い車両の置き換えを続けてきた西鉄貝塚線ですが、現在の大牟田線の車両は、車体長(連結面間隔)が19.5mに統一されています。扉配置は2扉、3扉、4扉と3種類ありますが、車体長が合わないため、地下鉄線内のホームドアに対応させることはできません。

福岡市地下鉄と西鉄貝塚線の直通について、当ブログ過去記事で、貝塚線のホームが削られていることについて2回言及しましたが、ホームの改修を行わずに残っている駅は、現在では三苫と新宮だけになっています。地下鉄の貝塚延伸と同時に開業した唐の原では元々ホームとの隙間が広く、カーブにかかるホームの端1箇所だけを削っていました。また高架化された名島から香椎までの各駅は、隙間を広くした上で、木やゴムやプラスチックで隙間を狭くする対応をとっています。このように、ホームとの隙間については、残りは三苫と新宮だけになっています。

ホームの削り幅が65mmよりも狭い

さて、国鉄通勤型電車に対して左右に約65mmずつ車体幅の狭い貝塚線ですが、ホームの削り幅が65mmよりも狭くなっています。通過列車のない路線のホームなので、車体の揺れ幅が狭いからなのか、あるいは線路の狂いの保守について、厳しい基準にするのか、そのどちらかだろうと思っていましたが、後になって、小中学生の頃の新聞記事のことを思い出しました。

その記事は、福岡の地下鉄の車椅子対応についてのものでした。車椅子利用者の団体から市に対して、もっと使いやすくするよう要望している内容だったはずです。そしてその中で、地下鉄の車両の方が、ホームと車体の隙間が広いという指摘と、それに対する福岡市側の返答として、車体幅の狭い宮地岳線との直通を念頭においたものという内容がありました。

もちろん、記事のスクラップがあるわけではないので記憶が頼りですが、確かにそのような返答があったはずです。実際、福岡市交通局の1000系も2000系も、東急8090系と同じように、車体断面は側面が垂直ではなく、上と下を狭く絞った卵形の車体断面をしています。上と下を狭く絞っているのですから、当然ながら、車体とドアの間の隙間は、側面が垂直の車両よりは広くなるわけです。

しかし地下鉄線内で実際に見比べてみると、福岡市交通局の車両とJRの車両とでは、床面の端とホームとの隙間は、大して変わらないのが実情です。車体を製造する時には溶接で縮むことを考慮に入れて、完成した時に寸法が許容範囲内に収まっているようにしているため、実寸では大してかわらないのかもしれません。

貝塚線のホームは低いようだ

さて、隙間がぱっと見たくらいではほとんど同じなのですが、これは床面の端と、ホームとの隙間の話です。車体自体は床より下まで側面が下に続き、そしてしっかり内側に狭く絞られています。そして貝塚線のホームは、高架化された駅も含めて少し低く作ってあるらしいのです。なので貝塚線のホームの高さでは、床面よりもしっかり狭くなっていて、福岡市交通局の車体に対応させるためには65mmまでは削らなくて済むということのようです。

大牟田線に最後まで残った600形1編成は黄色に塗られて救援車になりましたが、高架になったばかりの花畑駅に停車している写真と、貝塚線で高架化された名島から香椎までの駅に停車している600形とでは、ホームと車体の高さが異なるのがわかります。標準軌の大牟田線から狭軌の貝塚線に移るにあたって台車を変更してはいるのは確かです。しかし従来からの低いホームに停車している救援車と、貝塚線の従来からの駅と高架化された駅とで、ホームと車体の高さが同じくらいなので、すそ絞りの車体という前提で、貝塚線は新しく高架化した駅もホームを低く作っているようです。

将来の直通の余地を残した地上設備改良

さて、西鉄宮地岳線は路線の約半分を廃止して現在の貝塚線になりましたが、それから1年足らずで、3両運行を終了し、全て2両運転になりました。それから何年か経ってのことですが、駅の停止位置やATS地上子の配置、また信号機の場所の変更などで、現在の貝塚線では3両での運行ができないようになっています。

ただしこの配置の変更は、将来の地下鉄との直通運転の余地を残すかたちで行われています。西鉄ATSの車上子は、先頭車両の先頭台車の先頭側に取り付けてあります。一方で地下鉄ATCの車上子は、先頭車両の先頭台車の前に取り付けてあります。両者に対応させるためには、台車の前に地下鉄ATCの車上子を設けて、西鉄ATSの車上子を台車の後ろに設置する必要があります。

西鉄ATSは旧私鉄ATS通達に基づきスピードを測る機能(速度照査)があり、方式は点制御・連続照査方式です。行き違い駅では停止信号に対して、45km/h、25km/h、15km/hの速度照査があり、最後は即時停止の地上子です。有効長の狭い行き違い駅の場合では、停止位置を通り過ぎると、すぐにATS地上の上を通過し、非常制動停止するようになっています。そのため、車上子の位置が違う車両が混在する場合は、それに合わせてATS地上子の配置を変更する必要があります。

現在の停止位置やATS地上子の配置の変更は、進行方向に向かって、手前側に停止位置やATS地上子の位置を変更するかたちです。そのため、ATS車上子が台車の後ろについている車両でも、対応できるようになっています。しかし台車の前に車上子のある車両での3両運転は不可能になりました。

一方で、地下鉄との直通構想は3両運転が前提となっています。それにもかかわらず2両運転や、2両運転前提の設備改良を行っていますが、実際には将来の直通運転の余地を残した設備改良になっています。車上子の配置が2種類混在するかたちでの2両運転を行い、全車が新しい車上子配置の車両に置き換わってから、地上子や信号機の配置を変更すれば、再び3両運転を行うことが可能になります。

どこから中古車をもらってくるか?

さて、西鉄貝塚線の地上設備の改良を見ると、将来の3両運転と地下鉄直通を強く意識したものと受け取ることができます。そのため313形を置き換える車両についても、福岡市地下鉄の車両と近い車体断面の車両になると考えられれます。また現在貝塚線の車両は313形1編成と600形7編成ですが、313形の置き換えだけでは終わらず、何年かかけて全車を置き換える可能性も充分あります。

そして中古車両を購入して改造するとなると、大手私鉄やそれに類する規模の会社からの購入となるでしょう。そして20m4扉の車両で、かつ裾絞りで床面下の幅が狭い車両となると、東急8090系以外には、多分選択肢がないでしょう。そして、2両運転ができるように先頭車化改造を行うとともに、将来間に挟みこんで3両運転を行うための車両を確保する必要もあります。現在8090系は5両編成1本と10両編成2本があり、5両編成は運用を離脱したままになっています。

東急こどもの国線恩田駅に隣接する長津田工場では、8090系の8691F編成5両が、2両+2両+1両のかたちで留置されているのが目撃されていて、様子を書き込む掲示板にも動向が出ています。「恩田工場の動向&入出場記録(2014年前半)

さて、ここで注意したいのは、M1c+M2+T+M1+M2cの5両編成が、M1c、M2+T、M1+M2cの3組に分かれて留置されていることです。5両編成から2両編成を2つ作るのであれば、先頭車化改造を最小限にすますのであれば、2両改造すればすむところです。しかし、現在の組み合わせではそうはなっていません。

先頭車化改造の方法と中間車の確保

さて、福岡市地下鉄を走行する車両は、(鉄輪式リニヤの七隈線を除くと)、福岡市交通局1000系、2000系と、JR九州103系、303系の4種類です。そしてこの中でATOを搭載し、地下鉄線内でワンマン運行を行っている車両は、1000系、2000系、303系です。この3車種には、103系と異なる点が他にもあります。先頭車が中間車より50cm長く20.5mあります。それから手動運転とワンマン運転の機器を両方搭載するため運転台が広く、前面貫通路は中央ではなく助士側に寄っています。運転台側の窓は中央まであり、中央から助士側に貫通扉があります。東急で言えば9000系と同じタイプの窓配置です。

さて、新車を導入ではなく中古車を導入したり、2両運転から3両運転に増強する時に補助を受けるなどを前提として、西鉄が本気で直通運転を考えているのであれば、先頭車の前面形状について、JR九州103系1500番代のような左右対称な形ではなく、ATOを搭載する他の車両と同様に左右非対称にすることも充分に考えられます。また後から中間に挟む車両の確保については、左右対称の先頭車を、部品取り用に確保した車両という名目で保管し、後から中間に挟む方法もあります。

西鉄が地下鉄直通について本気であれば、先頭車は左右非対称に改造し、元の編成が3本あるので、間が開くことはあっても、1年度に(東急側での)1編成のかたちで改造・導入し、2両編成8本を置き換えることになるでしょう。

赤字になるという試算との整合性

さて地下鉄との直通について、3両編成の新型車両を導入する前提の市の試算が、2012年1月公表されたことを、このブログでも紹介しています。

この試算では、直通に必要な資金を全て補助金でまかなったとしても、赤字になることは確実で、赤字の幅は狭まるものの黒字化することはなく、累積赤字が広がる一方になるとの結果が報告されています。ただし、この試算では設備改良についての費用がかなり高額で、ICカードや改札のシステム改修等を挙げていたものの、それくらいでは説明の付かない不自然な額でした。

費用は車両購入費と施設整備費に分かれていて、車両購入費は、直通区間によって編成数が違い、3両編成の10本と12本とで、60億円と70億円との試算になっています。そして施設整備費は地下鉄と西鉄とで区別せずに項目を挙げてありますが、合計額は西鉄側が120億円で、地下鉄側は直通区間の違いによって、30億円と60億円になっています。この差の30億円分が、天神駅の改良工事に必要な費用と考えることができます。残りの30億円が、ホームドアや自動改札システムなどの費用と貝塚駅の改良の費用になるはずです。

設備投資額が120億円と試算されている西鉄で行われると思われる設備投資の内訳は、以下のものが該当すると思われます。

  • 西鉄貝塚線の軌道の改良
  • 車両基地の改造
  • 駅ホーム及び駅舎の改良
  • 出改札システム改修(改札機・券売機・清算システム等の改修)
  • 電線類改修(電車線・配電線の改修)
  • 変電設備増強
  • 信号設備改修(ATS装置の改修等)

しかしここで挙がっている設備投資の内の一部については、既に西鉄自信が自腹で行っています。駅ホームは既に削ったり線路をホームから離すなどで改良を行っており、残りの三苫と新宮でこれらを終わらせたとして、残りの費用は、香椎花園前駅の一旦撤去した2番線ホームの復活くらいです。

また電線類改修については、目で見てわかりやすいものとしては、インピーダンスボンドを新しいものに変更したり、駅構内や信号機周りのトラフ(コンクリート製の側溝とその蓋状の形状の中に信号・踏切・ATS関係のケーブルが入っている)の改修工事が多く行われています。またこれらの配電箱は、従来は銀色に塗装されたものでしたが、新しいグレーに塗装された配電箱も増えています。このように電線類の改修も、西鉄自身が自腹で進めています。またATS装置の改修については、将来3両運転に戻す場合の費用は別として、車両側が2種混在でも大丈夫なように、工事が進んでいて、残りは三苫だけのようです。

さらに、西鉄は313形の廃車を正式に発表しているため、新しく導入する中古車量を車両基地で整備できるようにするため、自腹で貝塚の多々良工場に設備投資を行うことになります。また、軌道の改良も西鉄自身ある程度行っています。高架化された区間はマクラギの下のバラストの厚みが従来の区間より厚くなりましたが、従来からの区間も設備の交換は進んでいます。

例えば部分廃止される前では、高架化された香椎から香椎花園前に向かって坂を下ると、従来からの軌道の区間に入ると揺れが大きく整備の度合いに大きな格差があるのがよくわかる状態でした。しかし部分廃止後に整備を行いこの区間の乗り心地は改善されていますし、高架化された区間と同じように溶接された長尺レールに交換したりしています。

部分廃止された区間では木マクラギが多かったですが、現存区間では元々PCマクラギ化されていました。そして高架化された区間以外のポイントは木マクラギでしたが、現在では本線上では1箇所を除き全て合成マクラギ化されています。本線上で残っているのは、保線車両を留置する線路を分岐する唐の原の1箇所だけになりました。

また、レールの継ぎ目のマクラギだけは木マクラギで残っていたのを、合成マクラギに交換している箇所も増えてきましたし、レールの継ぎ目を中心に、バラスとの交換も行われています。

マクラギの下のバラストの厚みを増すような大規模な軌道改良は行われていませんが、設備を維持するための軌道工事はこのように、部分廃止以降急速に行われています。また、部分廃止で旧い重い車両も減った上、運行回数も減っているため、軌道の規格を本当に向上する必要があるのかもよくわかりません。

このように軌道改良というのがどこまで入るのかがよくわかりませんが、結局残る候補は、西鉄貝塚線の軌道改良、出改札シテム改修、変電設備増強だけになります。しかし国交省の資料(PDF・http://www.mlit.go.jp/common/000230791.pdf)の17ページ目(用紙の下のページ番号では15ページ)を見ると、変電所の新設にかかる費用は用地取得を除いて3億円と出ています。さらに、地下鉄側の施設整備が出改札システム改修とホームドアと貝塚駅の整備にかかる費用だけで30億円のところを、自動改札化されてはいないとは言え、貝塚線の出改札システム改修ではこんなに大きな数字になるわけがありません。

また部分廃止後の変電所は1箇所だけで、高架化工事に伴い改修(というよりは廃止と新設に近い)が行われている上、列車本数も減り、3両運転や2M車の大量廃車でMTの2両中心になったりと、以前よりは余裕があるはずです。

地上設備の改良としては、抵抗制御の車両しか走っていない区間に、VVVFインバータ制御の車両が入ることのできるように、信号や踏切の軌道回路の改修が必要だと思われます。しかし現在西鉄が自腹で行っている改修工事が、これらに対応できない、つまり更に直通の為に改修が必要な二度手間になるような改修を行うことは合理的ではありません。

このように中古車両の導入の準備など、直通に繋がる設備投資を、西鉄自身が自腹で行っていると考えられます。このことからも、地上設備についての投資が高額なことや、それを全て補助金でまかなったとしても赤字になるという試算とは、矛盾したことを行っています。

では地上設備のどこにお金をかけるのか?

西鉄貝塚線は宮地岳線の時代に、名島駅から香椎駅までが、高架化されました。そしてこの区間内に唯一、交換設備のない香椎宮前駅があります。地上時代は香椎宮前と隣の名香野(現千早)の間だけ、架線柱が複線対応で立っていました。高架化前の宮地岳線の最小運行間隔は12分30秒間隔と、三苫までの区間列車を入れると6分15秒間隔でした。現在は本数を減らして、全区間に渡って15分間隔か10分間隔になっています。

一方で地下鉄は約15分サイクルで運転しています。特に空港線は、単線区間のある筑肥線と直通する関係で、完全な15分サイクルではなく約15分サイクルで、空港線と直通・接続する箱崎線も、完全な15分サイクル7.5分間隔ではありません。

さて、この地下鉄のダイヤのサイクルですが、朝ラッシュの空港線に関してだけは、完全に15分サイクル3分間隔運転です。この運行間隔は、余裕時分を含めた上での設計上の限界の運転間隔になっています。この15分の内に5本の列車が走り、2本が姪浜-福岡空港、2本が筑肥線直通-福岡空港、残りの1本が姪浜-貝塚の箱崎線直通列車です。

この朝の完全15分サイクルの時間帯では、JR九州筑肥線上り(都心方向)はおおむね7分半間隔で、15分に2本、30分に4本と、日中の倍の本数が確保されています。ここで、筑肥線の本数を増やすとなると、6分間隔にして、12分に2本、30分に5本という方法もあるでしょうが、このようにすると、筑肥線からの直通のスジを、箱崎線直通のスジに繋がなくてはならなくなります。

一方で、朝ラッシュでもそれほど混雑の激しくない箱崎線ですが、両数を6両から3両に半減すると、輸送力の確保の観点から、本数を増やす必要が生じるでしょう。試算では直通区間について2つの案を比較していて、西鉄新宮-中洲川端と、西鉄新宮-天神の2つでした。そして後者の天神まで直通し、箱崎線内は全て3両運転とし、箱崎線と空港線の直通運転を取り止める案では、朝ラッシュについて、箱崎線と貝塚線の運行間隔を、空港線の3分間隔に合わせる必要があります。つまり、6分間隔運転にする必要があります。また、この案では、JR九州筑肥線についても、6分間隔運転とし、30分に4本から、30分に5本へと増発することも可能です。

さて、西鉄宮地岳線では元々6分15秒間隔運転を行っていましたが、高架化工事中の徐行や、高架化後には対向列車が到着してからの開通までの時間の延長などで、6分30秒間隔と13分間隔に運行間隔が伸びていました。そこを6分間隔運転にする場合、一番問題になるのが、交換駅の間に挟まれた香椎宮前駅を含む、千早-香椎間です。

試算で設備投資についての金額が高額だったのは、この区間について、部分複線化工事の費用が「軌道の改良」という名目で盛り込まれているのであれば、納得がいきます。香椎宮前駅と隣の駅との間は、営業キロでは500mか600mですので、連続立体交差工事で1キロ当たり数十億円から百数十億円程度のようですから、単線高架区間にさらに単線高架を作って複線化するとなると、120億円という数字でも納得できます。

そして逆に言えば、開通時間を早くできるように、絶縁継ぎ目の位置や信号機・ATS地上子の配置を変えることなどと同時に、高性能の車両を導入することによって、部分複線化することなく、6分間隔運転ができるようになるのであれば、地上側の設備投資は大幅に低くてすむことになります。(特に電磁自動空気ブレーキの車両が313形1編成だけ残っているので、非常ブレーキの性能が上がればATS地上子の配置見直しも現実的な問題です。)

中古車両が手に入ったことと、性能面で高額の地上設備改修が不要になったからということで、従来よりは少ない補助金さえあれば、黒字化可能ということで、直通運転について、いきなり話が進む可能性があるでしょう。特に、中古車両を確保する際、中間車を確保しておかないと、同じ断面の車両がもう残り少ないという点があります。

まず西鉄が中古車を導入し、地上設備についても設備投資が少なくて何とかなることがわかったからということで、とんとん拍子に話を進めて補助金をもらわないと、西鉄も中古で車両を導入するときが大変になるでしょう。現在導入すると予想している5両編成の後、話がつくまで待ってから、1年度以上空いてから、10両編成の2本を、2年度に分けて導入といったかたちをとるのでしょうか。

また最近、8691F編成の2両が外から見える場所にいなくなったということで、どうも搬出されたようです。別の工場で改造を受けるのかもしれません。新しい車両が貝塚線に入ることだけは確実ですから、運転や整備の訓練のスケジュールからいけば、そろそろ動きがあってもおかしくはないでしょう。さて、どんな車両がくるでしょうか。興味が尽きないですね。

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鉄マクラギのシーサースクロッシング JR九州筑肥線 筑前前原駅の両渡り

シーサースクロッシングの写真
JR九州筑肥線の筑前前原駅の波多江方(福岡空港方面)に、両渡り(double crossover)として使われているシーサースクロッシング(scissors crossing)があるのですが、マクラギが鉄マクラギを使用しているので、ご紹介します。携帯電話しか持っていなかったときの写真なので画質は悪いですが、左右のレールを絶縁するために、鉄マクラギが中央で分割されていて、絶縁体を挟んで固定されているのがわかります。

鉄マクラギの真ん中の固定部分は、下の写真のような感じです。これはポイントと通常の線路のとの境目部分です。2種類のマクラギと3種類の締結装置が並んでいます。右側のコンクリートマクラギは、下山門―筑前前原間の複線化(1999年完成・2000年ダイヤ改正)の際に多用されたパンドロール締結のものです。(ホームを広げた今宿と周船寺の山側では、ホームから間近で見ることもできます。)
シーサースクロッシングの写真

ポイント全体が写っている写真は下のような感じです。奥に筑前前原駅のホームが見えています。ポイントの周りに民家がありますので、こちら側の道路から観察するか、反対側の駐車場からの観察になります。
シーサースクロッシングの写真

シーサースクロッシングの写真
こちらは転てつ器の周りのアップです。電動転てつ器も鉄マクラギに載っています。鉄マクラギでの左右のレールの絶縁は、マクラギが一体形でレールを締結する部分で工夫してあるものをJR貨物などで見ますが、現在は2重弾性締結のパンドロールで対応しているようです。また鉄マクラギのポイントはJR貨物ではちらほら見ますが、通常は合成マクラギを使いますので、他の事業者では結構レアじゃないでしょうか。マクラギが左右で分割されている部分はぱっと見てもわかりやすいですので、前面展望でも、ちょっとした見所かもしれませんね。

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