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JR九州がATS-DKを使用開始 パターン発生を確認

JR九州のATS-DKの車内表示器で、「信号P発生」が点灯しているのを目撃。日豊本線上り西小倉駅では日常的に目撃できる。

前回の記事でATS-DKの車内表示器の「DK位置確定」が点灯していることをお伝えしていたが、より詳しいことがわかったので紹介する。

今回わかったこと

  • ATS-DKの区間では「DK位置確定」のランプが点灯し、ATS-SKのみの区間では消灯する。
  • ATS-DKの区間に入ると「DKです」の音声が流れる。
  • ATS-DKの区間とATS-SKのみの区間の境界には白いDKの位置確定地上子を2個設置する。
  • ATS-DKの区間内に「工事区間」と称してATS-SKのみの区間が残存している。(西小倉・福間)
  • 「工事区間」ではATS-DKの車上データベースの機能が使えないだけで地上主体型のパターン照査はできるようだ。
  • ATS-DKの区間内では分岐器速度警戒のロング警報は動作しない。
  • 信号パターンのくぐり抜け速度は10km/h
  • ATS-DKのパターン照査を行う信号機は場内信号機だけらしい。(出発信号機はATS-SK)

DK区間では「DK位置確定」が点灯

鹿児島本線の下り列車で戸畑→箱崎間に乗車したが、途中福間駅周辺はATS-SKの区間として残っていた。ATS-SKの区間は「工事区間」と称するようで、DKの位置確定地上子2個の横に「工事区間開始」の看板がある。この地上子の上を通過すると「DK位置確定」が消灯して「SK」のみが点灯した状態になる。ATS-SKの区間が終わる地点にもDKの位置確定地上子が2個あり、「工事区間終了」の看板がある。ここを通過すると再び「DK位置確定」が点灯し、「DKです」の音声が鳴る。「DK位置確定」がATS-DKの区間かATS-SKのみの区間かを示していることがわかる。

上:工事区間である福間駅構内とその周辺を走行する811系の車内表示器。ATS-SKの区間なので「SK」のみが点灯している。
下:福間駅を出てすぐのカーブ上にある「工事区間終了」の看板とDK位置確定地上子2個。

ATS-DKの区間との境界には白いDK位置確定地上子

今回は日豊本線の城野→小倉間に乗車した。日豊本線はまだATS-SKのままで、鹿児島本線と構内で繋がっている西小倉―小倉はATS-DKになっていた。ATS-DKの区間との境界は南小倉―西小倉間にある。下写真は同区間の小倉工場横にある下り線の位置確定地上子。2つ1組だが、念のためか、この先(写真手前側)にももう1組位置確定地上子があった。

西小倉(日豊上り)での信号パターン発生

上の写真の場所を更に進み、ATS-DKの区間に入ると下写真のように「DK位置確定」が点灯した。

更に進んで西小倉の場内信号機。本線の2番線に到着だ。西小倉と小倉の間には閉塞区間がない。西小倉の場内信号機の次の信号機はホームの先に立っているが、出発信号機ではなく小倉の場内信号機だ。今回は西小倉の場内が注意なので、次の小倉場内は停止だ。ダイヤの都合上、日豊本線上り普通には小倉の場外である西小倉のホームで待たされる列車があり、日常的に信号パターン発生を見ることができる。


上:場内信号機の先、左に3番線が分かれた後、駅の構内で工事区間が始まる。
下:上写真奥の看板の拡大。「信号パターン注意」とある。

工事区間に入ると「DK位置確定」が消灯し、場内信号機に対するロング地上子を通過する。ロング地上子を通過すると「SK」が消灯して「ATS動作」が点灯すると同時にベルが鳴り、確認扱いを行った。また、気がついたときには左下の「信号P発生」が黄緑色に点灯していた。おそらくSKの動作と同時だろう。


上:ホームに入って停車。ホームの先に見えるのが小倉の場内信号機。写真には写っていないが、この停止位置のすぐ先にパターン解除用のDx形中間地上子がある。
下:Dx形の直下地上子の位置にある看板には、「信号 パターン 注意 10km/h以下」とある。直下地上子でパターンを解除する場合は10km/h以下で走行するかたちだ。このことから信号パターンのくぐり抜け速度は10km/hと推測できる。


小倉の場内が警戒現示で発車。停止位置のすぐ先にあるDx形中間地上子でパターンが解除された。工事区間であるためパターンが解除された後は「SK」のみが点灯した。ポイントで左の3番線と合流した先で工事区間は終了し、「DK位置確定」が再び点灯して「DKです」の音声が鳴った。

解説・考察

前回までに指摘したことだが、駅構内は全てDx形の地上子に変更されていても、出発信号機に対してはパターン解除用の中間地上子がなく、パターン解除用の中間地上子があるのは場内信号機だけだった。そして出発信号機が停止現示の場合には信号パターンは発生せず、ロング地上子でSKのロング警報が鳴り、確認扱いしていた。

以上から、パターン解除用のDx形中間地上子が設置されている、場内信号機に対してだけ信号パターンを発生させていると推測できた。そこで日常的に場内信号機の手前で停止する場所を見てきたところ、場内信号機に対して信号パターンを発生させていることがわかった。他に場内信号機の手前で日常的に停止するのは、連結を行う南福岡の上りがある。

工事区間で「DK位置確定」が点灯していない場所でも信号パターンが発生した。JR九州が採用している地上主体方式では、地上子から信号機までの距離等のディジタル情報を受け取るため、車上データベースと関係なく信号パターンを発生させることができると考えられる。また、車上データベースと走行位置が確定していない場合でも、DKのディジタル信号を受け付けて処理しているのがわかる。

以上の状況をすっきりと説明しようとすると、以下のようになる。「DK位置確定」が点灯するのは車上データベースがある区間を走行中で、車上データベースと走行位置が一致している状況であり、そして車上データベースとは関係なく信号パターンを発生させることもできる。また車上データベースを使う区間であっても、パターン照査の信号機と従来のSKの信号機を混在させることができる。

なお、今回信号パターンが発生したのは工事区間内であるため、車上データベースと走行位置が確定した状況では、「DK位置確定」と「信号P発生」が同時に点灯するだろう。

鹿児島本線の門司港―荒尾間では、出発信号機と場内信号機が設置されていて待避線がないのは東郷駅と黒崎駅だけのはずだ。先行列車に追いつきやすいのは前の列車が駅に停止している時の駅手前でではあるが、今回DKが設置された場内信号機の殆どは、待避線がある駅だ。待避線のある駅で待避する先行列車が遅れた場合は優等列車が制限信号に引っかかることは多々あるが、場内信号機が停止の状況で場外で一旦停止まですることは考えにくい。待避線に入ってしまえばすぐに進路が開通して場内は進行になる。第1閉塞信号機以前で制限信号に引っかかり減速することの方が多く、一旦停止まですることがあるとすればこちらの方だろう。このため信号パターンの発生に遭遇することは少ないだろうし、かぶりつきをしても見る機会はなかなかないだろう。また、停止信号の手前で停止してしまう状況としては、追い越すことのできない駅(停留場)で追いつくことの方が多く、複線区間での今後の設置拡大がどちらの方向に行くのかに興味がある。もちろん特急が100km/h以上で走行するような他の線区への拡大が急がれるが、鹿児島本線のように密度が高く制限信号に当たることが日常的な路線では、完全DK化も含めてどのように拡大していくか興味がある。

というわけで、公式発表はないもののJR九州はATS-DKを使用開始していました。

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ATS-DK車上表示器の「DK開放」が消灯 使用開始か?

2011年5月28日に博多駅のJR九州ホールで行われた、「高速鉄道シンポジウム「夢のレール――鉄道が描く未来」」において、聴衆からの安全性に関する質問に答える中で、JR九州常務の青柳俊彦氏から、ATS-DKの使用開始は7月であることと、鹿児島本線から導入することが明かされた。本日博多駅で813系で運転の3列車の運転台を見たところ、車上表示器の表示に変更があったので内1列車に乗車して観察を行った。

上が本日の2011年7月9日に撮影した写真。オレンジのランプが2箇所点灯している。
下が2010年10月の記事「ATS-DKの車上表示機が点灯していました」で紹介した従来の表示。今回点灯していたオレンジのランプ2つの内の右側だけが点灯し、右端の赤の「DK開放」も点灯している。



上下:今回の写真を拡大したところ。オレンジの「DK位置確定」が新たに点灯して、従来点灯していた赤の「DK開放」が消灯しているのがわかる。

今回は813系の鹿児島本線上り普通列車に博多から香椎まで乗車した。「DK開放」は消灯して「DK位置確定」は点灯しているものの、ATS-DKの機能を使っているところは確認できずATS-SKの機能しか見ることはできなかった。途中ロング警報と同時にオレンジの「SK」が消灯して赤の「ATS動作」が点灯しただけで、他のランプが点灯・消灯することはなかった。

ロング警報があったのは千早の待避と香椎の待避線到着で、出発信号機が停止現示だった。従来どおり出発信号機のロング地上子でベルが鳴り確認扱いしていた。また箱崎―千早操車場間の多々良川橋梁手前のカーブには、SKの2点間車上タイマー照査が3箇所あるが、特に表示が変わることはなかった。

上下:ロング警報が鳴るとオレンジの「SK」が消灯すると同時に赤の「ATS動作」が点灯する。確認扱いすると元の表示に戻る。到着後に警報持続ボタンを押して止めるのは従来どおりだ。

考察

今回この区間でATS-DKの使用を開始したのかよくわからなかった。ATS-DKを段階的に導入していく際は、車両側でDKが機能する状態のまま、ATS-DKの区間もATS-SKの区間も走るはずである。そのためDKを開放していないからと言って、たまたま走行しているこの区間で使用していると言い切ることもできない。(しかし最初に地上設備を切替えたのは赤間―吉塚間であり、使用開始しているのであればこの区間は含まれているはずである。)また「DK」の表示灯はないため、「SK」と「ATS動作」の表示灯が同時に消灯している状況を目撃しない限り、使用開始していると言い切ることもできない。

またATS-DKでは車上データベースを使うので、曲線の速度照査については車両側でパターンを発生させて行う。箱崎→千早操車場の多々良川橋梁手前のカーブの制限については、車上データベースにより照査が行われるはずだが、「速度照査」のランプは点灯しなかった。しかしこの「速度照査」と同じ段に並んでいる他の5つが、「直下/誤出発」、「確認遅れ」、「信号P超過」、「制限P超過」、「頭打P超過」と、どれも非常ブレーキが動作した場合の理由を表しているので、この「速度照査」はSKの2点間車上タイマー照査に引っかかった場合のものだろう。

なお信号パターンについては「信号P発生」と「信号P接近」の表示灯はあるものの、「制限P発生」や「制限P接近」の表示はないため、ATS-DKを使っている状況をはっきりと確認するには信号パターンが発生している状況を目撃しなければならない。

別の点としては、以前の記事で言及した疑問として、場内信号機に対してはパターン解除用の地上子があるものの、出発信号機に対してはパターン解除用の地上子がないという点がある。停止位置から先は、離れたところにある直下非常の地上子だけの箇所が多々ある。ATS-DKの機能を使っているのは場内信号機だけで、出発信号機に対しては従来どおりのATS-SKを使用している可能性がある。ATS-DxやATS-DKの文献において、地上子を使わないパターン解除はくぐり抜けの方法しか記載されていない。またATS-Dx全般についての文献ではなく、JR九州のATS-DKに限定しての文献としては、鉄道と電気技術の2011年2月号に掲載された「JR、民鉄のATS (4) ― JR九州のATS ―」があるものの、場内信号機と分岐制限に対してのパターン及びパターン解除についての図はあるが、出発信号機に対する図はなく、出発信号機では従来のATS-SKのままであるとの仮説を否定する部分はなかった。また特にパターン解除について独自の仕様があるとも書かれていない。(もちろん複線区間でも出発信号機兼第2場内信号機のようなところはあり、そのような場所では出発信号機に対するパターン解除用地上子は設置されていて、ATS-DKを使うはずだ。また単線区間では場内よりは出発をATS-DKにしたほうがよい。)

結局、ATS-DKが使用開始されているともいないとも明言できる証拠は出てこなかった。しかし車上装置は機能を殺してはいない表示である上、地上装置も新しいものに切替っている。すでに場内信号機についてだけATS-DKが機能している可能性は十分あり、おそらくそうだろう(個人的な推測の域を出ないが)。結局、公式発表がない段階でマニアが見て断言するには、場内信号機が停止現示になっている状況に遭遇しなければならない。

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