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ATS-DK車上表示器の「DK開放」が消灯 使用開始か?

2011年5月28日に博多駅のJR九州ホールで行われた、「高速鉄道シンポジウム「夢のレール――鉄道が描く未来」」において、聴衆からの安全性に関する質問に答える中で、JR九州常務の青柳俊彦氏から、ATS-DKの使用開始は7月であることと、鹿児島本線から導入することが明かされた。本日博多駅で813系で運転の3列車の運転台を見たところ、車上表示器の表示に変更があったので内1列車に乗車して観察を行った。

上が本日の2011年7月9日に撮影した写真。オレンジのランプが2箇所点灯している。
下が2010年10月の記事「ATS-DKの車上表示機が点灯していました」で紹介した従来の表示。今回点灯していたオレンジのランプ2つの内の右側だけが点灯し、右端の赤の「DK開放」も点灯している。



上下:今回の写真を拡大したところ。オレンジの「DK位置確定」が新たに点灯して、従来点灯していた赤の「DK開放」が消灯しているのがわかる。

今回は813系の鹿児島本線上り普通列車に博多から香椎まで乗車した。「DK開放」は消灯して「DK位置確定」は点灯しているものの、ATS-DKの機能を使っているところは確認できずATS-SKの機能しか見ることはできなかった。途中ロング警報と同時にオレンジの「SK」が消灯して赤の「ATS動作」が点灯しただけで、他のランプが点灯・消灯することはなかった。

ロング警報があったのは千早の待避と香椎の待避線到着で、出発信号機が停止現示だった。従来どおり出発信号機のロング地上子でベルが鳴り確認扱いしていた。また箱崎―千早操車場間の多々良川橋梁手前のカーブには、SKの2点間車上タイマー照査が3箇所あるが、特に表示が変わることはなかった。

上下:ロング警報が鳴るとオレンジの「SK」が消灯すると同時に赤の「ATS動作」が点灯する。確認扱いすると元の表示に戻る。到着後に警報持続ボタンを押して止めるのは従来どおりだ。

考察

今回この区間でATS-DKの使用を開始したのかよくわからなかった。ATS-DKを段階的に導入していく際は、車両側でDKが機能する状態のまま、ATS-DKの区間もATS-SKの区間も走るはずである。そのためDKを開放していないからと言って、たまたま走行しているこの区間で使用していると言い切ることもできない。(しかし最初に地上設備を切替えたのは赤間―吉塚間であり、使用開始しているのであればこの区間は含まれているはずである。)また「DK」の表示灯はないため、「SK」と「ATS動作」の表示灯が同時に消灯している状況を目撃しない限り、使用開始していると言い切ることもできない。

またATS-DKでは車上データベースを使うので、曲線の速度照査については車両側でパターンを発生させて行う。箱崎→千早操車場の多々良川橋梁手前のカーブの制限については、車上データベースにより照査が行われるはずだが、「速度照査」のランプは点灯しなかった。しかしこの「速度照査」と同じ段に並んでいる他の5つが、「直下/誤出発」、「確認遅れ」、「信号P超過」、「制限P超過」、「頭打P超過」と、どれも非常ブレーキが動作した場合の理由を表しているので、この「速度照査」はSKの2点間車上タイマー照査に引っかかった場合のものだろう。

なお信号パターンについては「信号P発生」と「信号P接近」の表示灯はあるものの、「制限P発生」や「制限P接近」の表示はないため、ATS-DKを使っている状況をはっきりと確認するには信号パターンが発生している状況を目撃しなければならない。

別の点としては、以前の記事で言及した疑問として、場内信号機に対してはパターン解除用の地上子があるものの、出発信号機に対してはパターン解除用の地上子がないという点がある。停止位置から先は、離れたところにある直下非常の地上子だけの箇所が多々ある。ATS-DKの機能を使っているのは場内信号機だけで、出発信号機に対しては従来どおりのATS-SKを使用している可能性がある。ATS-DxやATS-DKの文献において、地上子を使わないパターン解除はくぐり抜けの方法しか記載されていない。またATS-Dx全般についての文献ではなく、JR九州のATS-DKに限定しての文献としては、鉄道と電気技術の2011年2月号に掲載された「JR、民鉄のATS (4) ― JR九州のATS ―」があるものの、場内信号機と分岐制限に対してのパターン及びパターン解除についての図はあるが、出発信号機に対する図はなく、出発信号機では従来のATS-SKのままであるとの仮説を否定する部分はなかった。また特にパターン解除について独自の仕様があるとも書かれていない。(もちろん複線区間でも出発信号機兼第2場内信号機のようなところはあり、そのような場所では出発信号機に対するパターン解除用地上子は設置されていて、ATS-DKを使うはずだ。また単線区間では場内よりは出発をATS-DKにしたほうがよい。)

結局、ATS-DKが使用開始されているともいないとも明言できる証拠は出てこなかった。しかし車上装置は機能を殺してはいない表示である上、地上装置も新しいものに切替っている。すでに場内信号機についてだけATS-DKが機能している可能性は十分あり、おそらくそうだろう(個人的な推測の域を出ないが)。結局、公式発表がない段階でマニアが見て断言するには、場内信号機が停止現示になっている状況に遭遇しなければならない。

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