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JR九州篠栗線(福北ゆたか線)長者原駅ホーム拡幅・延長工事

長ったらしい前置き

2015年春改正でワンマン運転を行う最大両数が3両から4両に変更される福北ゆたか線(鹿児島本線・篠栗線・筑豊本線)の博多-直方間にある、長者原駅で、島式ホームの拡幅と延長の工事が行われていました。これにより、主本線7両・待避線6両から、両面とも7両対応になりました。

長者原駅は1線スルーの線路配線と信号配置ですが、ダイヤの基本のパターンでは、上下列車が行き違いを行っていて、主本線を上り列車、待避線を下り列車が着発しています。現在福北ゆたか線では最大7両運転が行われていますが、朝の博多方面1本2本のみで、折り返しは博多駅で一部の車両を切り放しての運行となっています。それ以外の列車は6両運転までとなっています。

他の駅、特に対向式ホームの駅でホームの延長を行えば、下り列車も7両で走行が可能なため、ダイヤ改正に向けてホームの延長工事が行われるかが気になるところです。なおポイントのある駅で、下り列車が走るホームをそのまま手前側に伸ばせばよいだけの駅は、原町、篠栗、城戸南蔵院前、筑前大分、天道になります。進行方向に向かって奥の方に伸ばせばよい駅は桂川になります。

なお、篠栗駅は下り列車が走る2番線と篠栗折り返し列車が着発する3番線の間に島式ホームがありますが、ATS-DKの工事に合わせて絶縁継ぎ目の位置を変更しているようで、そのままホームを手前側(吉塚・博多寄り)に伸ばせば大丈夫なようです。また桂川についてはホームを進行方向奥側(直方・折尾寄り)に伸ばすことになりますが、信号機やATS地上子等はそのままで大丈夫のようです。

また、ポイントがない駅で対応が必要な駅としては、鯰田駅はホーム直方寄りの嵩上げが必要になります。なお、今ここで挙げた駅も上り列車の走行するホームは全て7両対応です。また、ここで挙がらなかった博多-直方間の駅は全て7両対応です。

福北ゆたか線のワンマン化の情報については、2014年6月15日付けの「JR九州労組新聞 第376号」の4ページ目3段目の表に記載があります。また、福岡地区のそれが4両ワンマンであることがわかる記述が、2014年8月10日付の「JR九州労組新聞 第377-1号」の3ページ目下から2段目にあります。

長者原駅のホーム拡幅・延長工事の様子 2014年10月19日撮影


左側の赤茶色っぽい部分が拡幅されたホームです。左側の待避線は半径が小さくホームと車両との隙間が広かったため、ホームの縁が赤く塗装されていました。拡幅部分と従来の端の赤い部分の間は、ガムテープか何かのようなもので貼り合わせてあります。


新しく7両分に伸びた待避線のホームです。ホームのこの部分は線路が直線に変更され、安全側線の片開きポイントまで真っ直ぐになりました。また、線路配線切り換えの工事中であるため、ATS-DKの車上データベースを使わない「工事区間」があり、その開始地点を示す標識「工事区間開始」と、そのためのDK位置確定地上子が見えます。2014年10月19日現在ではホームの端の柵が完成しておらず、手前側に緑の仮設の柵があります。ホーム端部の柵の完成後、従来の柵の撤去が始まるでしょう。


ホーム拡幅前の写真になります。電化開業で交換設備が新設されたのですが、用地の関係もあってなのでしょう、端の方はこのように狭くなっています。なお、右側の本線も左側の待避線も幅が狭いため、保線員が線路脇で列車を退避するスペースがなく、特に通過列車もある本線側は注意喚起の表示もあります。


従来のホームの縁と、広がった部分の境界から桂川・直方方面を撮影した写真です。ホームの端の方は幅が倍近くまで広がりました。


上の写真より手前側からの撮影ですが、ホームが広がる前の写真です。左側の待避線がいびつに曲がった線路配線であることもわかります。


ホームの端から吉塚・博多方面に向かって撮影。待避線のカーブの制限は線形改良前は「35」でしたが、「50」に向上しています。


従来のホームを端から撮影した写真です。階段の近くまで、かなり狭いホームであったことがわかります。


上の写真の柵の先から撮影した写真です。従来のホームの縁が赤で、従来の黄色い点字ブロックが撤去された跡は、黒くアスファルトで埋めてあります。


従来のホームの縁と、新しいホームの縁が比較できます。従来の待避線の線路が、最小限の用地を使って急なカーブであったことがわかると思います。吉塚・博多寄りのホームの端の方は、制限「40」のままとなっています。従来は分岐器と付帯曲線の制限「40」よりも、ホーム途中のカーブの制限の方が「35」と低くなっていました。


階段の近くも従来は狭くなっていました。快速停車駅でかつ、香椎線との接続駅でもあり、乗客は多くホームは混雑していました。ホームの拡幅の背景は2つあり、来春のダイヤ改正からワンマン運転を行う最大両数を3両から4両に変更することと、混雑緩和のための恒常的7両運転を可能にする点でしょう。混雑対策として近年行われたことは大きく2点あります。ラッシュ帯を中心に他線区から応援で入ってくる車両が415系の4両運転だけだったところを、817系3000番代の3+3両が加わりました。また、福北ゆたか線専用として直方に所属する2両編成の817系については、ロングシート車の817系2000番代の投入が行われています。


ホームの幅を広げた部分は、盛土のコンクリート側壁も新しくなっています。拡幅されたホームは表面はプラスチックか何かの樹脂で、点字ブロックも埋め込みではなく貼り付けとなっています。拡幅部分の板状の部分に銀色の小さな点が見えますが、ホーム下の骨組みと固定してある部分になります。


ホームの拡幅された部分は、金属の骨組みの上に金属で作った板を並べたかたちですが、ホームの縁の部分には白い壁があり、ホームの下の構造は外から見えないようになっています。


ホームが広がり始める端の部分を反対から撮影した写真です。端の方は金属の枠の中にコンクリートを打ち込んだ構造で、少し広がってから樹脂製の棒になっています。赤い縁と従来の点字ブロックの跡からも、従来のホームが狭かったのがよくわかります。また、ホームの端の方が直線になっています。


上の写真の少し手前側から撮影した、ホームが広がる前の写真です。分岐制限から続くカーブの制限が「40」であるのに対し、待避線中ほどのカーブの制限の方が「35」と低くなっていました。


現在ではカーブの半径が大きくなり、制限「40」の解除標識と、制限「50」の標識が同時に立っています。


待避線の桂川・直方寄りが直線になったのがわかりやすい位置から撮影しました。工事の関係でしょう、線路の左側の駐車場は一部が柵で仕切られています。


2014年10月19日の段階ではまだホームの屋根は工事が行われていないため、ホームが拡幅されたのがわかりやすくなっていました。


ズームすると、このような感じです。線路が真っ直ぐになったのがよくわかります。


改札外の階段から見ると、まだ盛土のコンクリートの側壁は足場が残った状態でした。

線路関係の写真


急曲線で溶接レールを使う場合、レールの温度変化と車輪がレールを外側に押す力により、線路が枕木方向に移動しないようにする必要があります。対策としては、既設の線路にも適用が可能な方法として、枕木を金具で2個1組に固定する方法が採用されています。写真は配線が変更されたS字カーブ(反向曲線)の部分で、手前側は従来の2個1組の金具になっていて、配線が変更された奥の方は別の金具が取り付けてあります。


手前側が2個1組に固定する通常の金具です。奥の方は、1本おきに別の金具が取り付けてあります。


線形が変更された区間の枕木です。1つおきに金具が取り付けてあります。枕木に垂直な方向に板が付いています。


金具の拡大写真です。枕木と垂直方向に金属の板があるのがわかります。


桂川・直方寄りの踏切から撮影した写真です。右側の待避線が真っ直ぐになったのがよくわかります。


配線変更前の写真です。右側の待避線は安全側線の先のカーブから制限「35」のS字カーブ(反向曲線)になっていて、狭い用地に交換設備を新設したのがよくわかります。

ホームの構造


拡幅されたホームの途中の仮設の柵の部分です。金属の骨の上に板が並んでいる構造です。また、表面の小さな銀色の丸の部分が、下の水平方向の骨組みと固定する部分であることもわかります。


この方向から見ると表面の板が、目形のダブルスキン構造の薄い金属板であることがわかります。


デジカメを持った手を線路の上に伸ばして撮影した写真です。ホームの下は縦方向の板で塞がれています。また、線路配線変更工事中ということで、ATS-DKの車上データベースを使わない「工事区間」の開始位置を示す標識と、DK位置確定地上子が見えます。


縦方向の板は、コンクリートの基礎の上に載っています。基礎とバラストの間は木の板で、木の棒を土に突き刺して固定してあるようです。


ホームの幅が広がり始める部分の拡大です。H形かT形の金属板を使って、隙間の部分にコンクリートを打ち込んでいます。全体を枠で囲む形ではないので、コンクリートに染み込んだ雨水の排水路は確保されるかたちです。


ホームの幅が広がり始める部分を少し離れた位置から撮影しました。元のホームも、金属の骨の上に金属の薄い箱があり、箱の中にコンクリートを打ち込んだ構造です。ホーム下の縦方向の壁は、ホームが広がり始める位置から始まっています。


コンクリートを使って幅を広げた部分と、骨組みの上に金属を載せた構造の境界部分の写真です。

盛土の側壁


線路を駅前広場側に広げているので、コンクリートの盛土の側壁も新しくなっています。写真は駅舎に繋がる階段付近です。階段の手前側にあるフェンスは工事前からこの場所にあったようです。


上の写真の階段付近を反対側から撮影した工事前の写真です。線路の盛土のコンクリート側壁に柵があります。保線員の待避スペースがなく、柵の下はバラストが落ちないようにメッシュになっています。柵とフェンスの間に架線柱があることから、ある程度の間隔があることもわかります。


コンクリートの側壁に手が加えられている部分と、そうでない部分の、境界付近です。勾配標の右に見える架線柱が、上の写真の架線柱になります。ホームの広がり始めの部分は、盛土の側壁を高くして対処しているようです。


上の写真の場所を駅前広場側から撮影しました。右端に写っているのが駅の階段の入口です。この部分は、盛土の従来の側壁の上にもバラストが載るかたちになっているのかもしれません。盛土のコンクリート側壁は、通常上に構造物が載らない前提で設計されるはずなので、それに耐えられるように、外側にしっかりと厚みを持たせ、新しい側壁は高さも少し上げているようです。


駅舎から階段を下りてきた部分です。盛土の側壁の構造が異なる部分の境界が見えます。


なお、階段付近の看板には、「ホームを拡げる工事を行っています。」と書かれていて、期日は「平成27年1月25日まで」となっていて、来春のダイヤ改正前に工事が完了することがわかります。また工期も充分ありますので、屋根の工事も行われる可能性があります。なお、工事を行っているのはJR九州グループとなった九鉄工業が行っています。


上の写真の左端を、別の角度からアップで撮影。コンクリートの側壁を厚く高くしたと思われる部分と、新規に外側に作り直した部分の境界部分です。線路の外側への移動量の関係で、従来の側壁の改修では対処できず、従来の側壁の外側に作り直したのでしょう。なお、奥の方の工事用足場が組んである部分からは、別の構造の側壁になっています。


上の写真の奥の方、工事用足場がある部分との境界部分です。ここから先は、別の構造となっています。


ここから先は、下の方は幅が狭く、上のほうが外側に張り出している構造になっています。この付近では線路の位置の移動量が大きいため、従来の側壁と新しい側壁の間隔が広く、下の方を内側に凹ませる余裕が充分に取れたのでしょう。


反対側から見るとこのような感じです。


下の方が狭くなっている構造の部分でも、架線柱の付近は縦に一直線になっています。


上の写真の更に先の架線柱の付近からは、縦に一直線のかたちで側壁ができています。ホームの先の部分は、従来の側壁との間隔が狭くなる部分です。なお、この日の段階では、側壁の下の方が狭くなっている部分にだけ、工事用足場が組んでありました。


新しい側壁とその横の工事用足場をホームから撮影したもの。駐車場を仕切った一画には、工事用の資材なども置いてあります。

おわりに

朝ラッシュ帯の博多方面について、両数増加とロングシート車の増加を行っている福北ゆたか線ですが、6両運転では限界が見えてきたのかもしれません。現在は直方配置の車両による6両運転は、813系による3+3両運転と、817系による2+2+2両運転が行われています。来春のダイヤ改正で朝ラッシュ帯の7両運転を増やすのであれば、繋ぐ順序はともかく、813系と817系での3+2+2両での運転が増えることになり、そのために817系2000番代の増備も行われることでしょう。

福北ゆたか線の博多-直方間のホームのカメラと車載モニターを使ったワンマン運転については、2007年3月18日(日)のダイヤ改正から3両までで実施でしたが、当ブログの「福北ゆたか線が車内モニタ使用のワンマン運行になりました」でお伝えしたとおり、当初より4両対応でカメラを設置し、同時に4両分はホームを嵩上げしているため、特に新たな準備をしなくても設備の面では可能でした。

2015年3月改正での4両ワンマン運転は既定事項です。なのでこれから注目すべき点は、相対式ホームの駅で下り列車のホームが7両分ない駅、あるいは末端が客車ホームの高さで嵩上げが必要な駅について、何か動きがあるかどうかになります。なお、快速停車駅限定でホームを延長する可能性もありますが、朝は上りも普通列車だけの時間帯が続くため、全駅について行われる可能性の方が高いと思います。

なお、ホームの延長について線路配線の変更を伴う大掛かりな工事が必要な駅は今回の長者原だけで、絶縁継ぎ目の位置の変更など信号関係の工事が必要な駅は篠栗駅だけで既に対処済みのようです。この2駅について対処が行われたことから、7両運転を増やすために他の駅についても工事が行われる可能性が高いとみています。

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