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FMV MG/A50のCPUをCore2Duo T8100に換装 メモリを3GBに増設

富士通の2008年夏モデルのノートパソコン「FMV-BIBLO MG/A50」のCPUを、「Celeron 550」 (2.00GHz=133MHz×15)から、Intelが公式には対応を表明していない「Core 2 Duo T8100」(2.10GHz=200MHz×10.5)に、交換しました。メモリは動作周波数が変更になるため交換し、DDR2-533の1GB×2枚から、DDR2-800の1GB+2GBになりました。

CPU交換後のBIOSでは、Intel SpeedStepテクノロジが有効になり、(試してはいませんが)仮想化のVTの項目も出てきます。またBIOSではメモリの容量に3GBの制限がかかっていて、1GBと2GBの取り付けスロットを逆にすると、BIOSが起動しない仕様でした。なおCPU換装後のメモリの速さは、DDR2-667となりました。

Mobile Intel GL960 Express ChipsetはIntel公式の仕様を超える機能を持っている

このノートPCに搭載されている「Mobile Intel GL960 Express Chipset」は、Intelの公式ページ内の仕様一覧では、対応FSBが533MHzとなっていますが、実際にはそれを超える機能を持っているようで、もっと性能のよいチップと中身はほぼ共通で、名称を変えて一部に制限をかけただけのようです。

「Mobile Intel GL960 Express Chipset」を搭載するノートPCでCPUを、CeleronからCore 2 Duoに交換した報告は、SONYのVAIO、富士通のFMV、東芝のdynabook、Gatewayなどがあります。

同時期の上位モデルはMobile Intel GM965 Express Chipsetを搭載

富士通公式ページ内の「FMV-BIBLO MG/A50」と上位機種の仕様一覧ページを見ると、「Core 2 Duo T8100」を搭載した上位版は「Mobile Intel GM965 Express Chipset」を搭載していて、このチップに一部制限をかけたものが「Mobile Intel GL960 Express Chipset」のようです。他の交換事例でも、上位版モデルでは「Mobile Intel GM965 Express Chipset」を搭載しているようです。

また他の交換事例では、メモリ4GB搭載については、BIOSでは問題なく認識されるものの、Windowsが起動中にハングするということで、3GBでは問題なくWindowsが起動するそうです。なお今回の機種では、BIOSで3GBまでに制限をかけていますが、1GB+2GBでもDual Channelで動作しました。

チップセットの比較
項目 GM960
Intel公式
GM965
Intel公式
GM960
実際
VTはCore 2 Duoを搭載時BIOSに現れるも未検証。なお今回搭載したCore 2 Duo T8100はVT対応。
対応 FSB533MHz800MHz533/800MHz
最大メモリーサイズ2GB4GB3GB
メモリーの種類DDR2 533DDR2 533/667DDR2 533/667
仮想化 VT-d非対応非対応未検証

搭載CPUの選択

上位モデルが搭載しているT8100を選ぶのが無難ですが、これと同じPenrynのモバイル向けCore 2 DuoでFSBが800MHzの製品は、最高で2.60GHzのT9500があります。続いて2.50GHzのT9300、2.40GHzのT8300、2.1GHzのT8100となり、発熱量を表すTDPはいずれも35Wです。換装前のCeleron 550のTDPは31Wなので、少し発熱量が高くなります。

今回はネットオークションでの価格等、入手性の面から2.1GHzのT8100を選びました。後述しますが、発熱量増大に合わせて、CPUクーラーのグリスはある程度性能の高いものにしました。

BIOS画面

BIOSの画面では、CPUはCore 2 DuoのT8100と出ていて、2.10GHzと、定格のスピードが表示されています。

メモリを最大容量の3GB搭載する場合には、この画面のようにスロット1が1GBでスロット2が2GBの組合せでないと、BIOSの起動が途中で止まって固まったままになります。

CPUの詳細な設定に入ると、写真のようにマルチコアやSpeedStepテクノロジが自動的にオンになります。CPU交換後は自動的に画面のような設定になります。またCPU交換後にBIOSのデフォルト設定を読み込んだ状態も、この画面と同じ設定でした。今回は特に仮想化は使わないので、CPUに機能はあるもののVTはOFFに設定しました。

Memtest86+で状態をチェック

メモリのエラーをCDブートでチェックできるMemtest86+を使って実際の状態を確認しました。

Chipsetについては、「Intel GM965/GM960」と認識されていて、チップが共通になっていることをうかがわせています。またT8100の動作周波数は、200MHz×10.5で2.1GHzですが、FSBが199MHzということで、200MHzで動いていることがわかります。

メモリについては、「RAM」の部分で動作周波数がDDR664と表示されていて、DDR-667になっていることがわかります。また、「Dual Channel」がONになっていることが表示されています。

元々搭載されているメモリはDDR-533なので、DDR-800(PC2-6400)に両方とも交換しています。

Windows上でのCPUの認識

今回のノートPCはWindows Vista搭載ですが、コントロールパネルからシステムにいくと、プロセッサの名称もきちんと表示されていて、メモリも3.00GBと認識されています。

画像はありませんが、「Core Temp」というソフトを使ったところ、Speed Stepが機能してCPU周波数が変わっているのが確認できました。こちらも画像なしですが、「CPU-Z」というソフトで確認したところ、今回中古で入手したSamsungのメモリ2枚は、偶然にも同じ月に製造された製品でした。なので、メモリの組合せによってDual Channelがオンにならない場合があるかどうかなどについては検証できない状況でした。

以下、簡単な分解方法の説明など。

分解方法…比較的簡単

今回のFujitsuの「MG/A50」は、メモリやCPUの交換について、他のメーカーや機種のものに比べて、比較的簡単に交換できました。なおカバーを外す前に、CPUクーラーのファンの部分についている、集塵フィルターを外すのを忘れないでください。(これが取り付いている状態でカバーが外せるかどうかは確認していません。)

CPUを交換するために裏面のカバーを外すのは、写真の桃色で囲んだ7本のネジを外し、写真の上方向にスライドさせ、その後右側を持ち上げて右に引き抜けば外れます。CPU交換のために外すネジも、「▲」の印のついたネジだけなので、区別するのは容易です。 ※なお、集塵スリットの部分は、写真の左側、黒いシールに白抜きで文字が書いてある左側です。

メモリの交換は、黄で囲んだネジを2つ外すだけカバーが外れます。

なお、分解前にACアダプターとバッテリーを外すのを忘れないことと、静電気でPCを破壊しないよう、注意してください。

裏面のカバーを外した状態です。写真の左下にCPUがあって、ヒートパイプで放熱板に繋がっています。メモリの上が無線LANのようで、右上にハードディスクが入っています。

CPUとメモリの部分です。今回部品の付け外しがあるのはこの写真の部分です。

CPUの交換

蓋が開きさえすれば、あとは自作PCや他のノートPCのCPU交換と同様です。CPUクーラーを取り付けるネジは桃色で囲んだ4本のネジです。この4本のネジを外して、ヒートパイプで繋がった黄色で囲んだヒートシンクを含むCPUクーラーが取り外せます。

CPUの固定を外すのは黄緑で囲んだ部分のネジです。他のノートPCやPentium Mなどと同様、マイナスドライバーでロックが外れる向きに4分の1周かその程度回せば、ロックが外れます。

CPUクーラーはCPUと接触する裏面に残ったシリコンをきれいに拭き取ります。また新しいCPUについても、コアを破損させないよう注意してシリコンを拭き取ります。アルコールなどを使ったクリーナー等も販売されているので、そのようなものを使うのがよいでしょう。

今回は発熱量が少し増えるので、CPUグリスは熱伝導率が5.1W/m・Kある、ArcticSilverのCeramiqueを使いました。日本でも昔から複数のメーカーから発売されている定番品で、今は後継品のCéramique 2も出ています。

このグリスは、他のグリスや手の油等が残っていると性能が低下するので、注意して作業する必要があります。説明書きの通りに、CPUクーラーに(拭き取るような感じで)薄く塗りつけて金属の凹凸に入り込むようにし、CPUのコアに米粒程度の量を載せます。CPUクーラーをネジで固定する時に押しつぶされて薄く広がるので、ネジで固定する際は、均等に押さえるように注意します。

CPUクーラーには、ネジを締めていく順番が数字で書いてあるので、それを参考にして、締めていきます。ネジで固定する部分は板状のバネになっているので、まずは4本とも、ネジがバネから浮いた状態で締めていきます。ネジでバネを押さえるようになったら、まず、1番のネジを締めます。このとき、ネジが締まるのに合わせて、2番の部分を手で押さえて下に下げた方が均等にグリスが広がりやすいと思います。

1番のネジを締め終わったら、2番のバネの部分を手で押さえたまま、2番のネジを締めてしまいます。コアを挟んで向かい合った1番と2番が終わったら、同様の手順で3番と4番を締めます。板バネで押し付けてあるので、ネジは最後まで締めるようにしてください。

今回使用したグリスの説明書では、CPUクーラーを僅かに回して空気を抜くように書いてあります。ネジで固定しているのでほとんど動きませんが、破壊しないように注意して少しだけ動かします。なお今回のグリスは、CPUの発熱で軟らかくなり、バネの圧力で厚みが薄くなるまでは、慣らし運転の時間が必要と書いてあります。いきなり高負荷をかけるような使用は控えて、充分に慣らし運転が終わってから、ベンチマークソフト等を動かすのがよいでしょう。

メモリの順番

今回のマシンでは写真のように、基板側を2GB、外側を1GBの組合せでないと、BIOSが起動しません。

また今回のメモリは、同じメーカーで同じ月に製造した製品で、基板上の1チップあたりの容量が同じで、1GBでは両面に4個ずつ、2GBでは両面に8個ずつのチップが付いています。容量が違うので2GBのメモリは、1GB分がデュアルチャンネルでのアクセスで、残りの1GB分にアクセスする場合は2枚目のメモリにだけアクセスのかたちをとるはずです。

おわりに

CPUがシングルコアからデュアルコアになったこととメモリの増加もあって、起動時間は従来よりずいぶん速くなりましたし、複数のアプリケーションを同時に立ち上げても従来のように遅くなることがなくなりました。自分のデスクトップマシンが2コア2スレッドでそれに慣れていることもあり、それに比べて重たいPCという感じだったのが、普通のPCといった感じになりました。

今回は長年使っている性能の高いグリスを使ったこともあり、発熱や放熱については特に問題はないようです。ベンチマークソフトを動かしたりと高負荷をかけると、排気を手に当てるとかなり熱くなりますが、慣らし運転をあまりせずにベンチマークソフトを動かしても、CPUの温度は上がっても74度程度だったと思います。時間が経ってからは、普通に使っていれば50度代前後でうろうろして、44度から67度程度の範囲くらいになりました。

なお、わざとBIOSでスピードステップをオフにした状態で複数のソフトを動かし、CPU使用率を8割程度は維持する状態で数時間を経過させ、設定を元に戻してから温度をチェックして、もう大丈夫だろうと思ったので、現在このPCは持ち主のところに戻っています。普通の使い方しかしないはずなので、特に問題はないでしょう。

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